バンド用 ネームプレート

カスタムメイド番外編。
私が所属させてもらってるビッグバンド、SSB:SuperSwing in Blue Orchestraのプレート。

勝手に作ってメンバーに強制配布^^;してます。

 

銅板エッチングです。

 

ご存じの方はご存知でしょうが、エッチングってのは銅や真鍮といった金属板を塩化第二鉄で腐食させることで表面加工する手法であります。

 

wiki : エッチング

 

 大まかな手順としては

   1. デザイン原画(マスクパターン)を作って印刷

   2. 銅板にマスクパターンを熱転写

   3. 腐食加工

   4. 着色して仕上げ

てな具合です。

 

実際の製作工程を紹介させて頂きますと…

先ずはマスクパターンをPCで作成しLBP(レーザービームプリンタ)で印刷します。

インクジェットはNGです。LBPのトナー(カーボンの粉)ぢゃないと熱転写出来ません。 

転写するので鏡像にしておきます。

 

銅板を切り出して、サンドペーパーで水研ぎします。

水研ぎで金属表面の酸化皮膜を取っておかないと、この後の熱転写が出来ません。


ラミネーターに何度も通してマスクパターンを銅板に転写します。

ラミネーターの熱でトナーが銅板に張り付く訳です。

水につけてふやかし、銅板表面の紙を丁寧に取り除きます。

これで熱転写完了!

トナーのついていない部分が腐食される部分です。

銅板の側面、裏面はマジックで塗りつぶして保護しておきます。


40°前後に暖めたエッチング液に浸けて腐食させます。

シンナーでマスクパターンを拭き取ります。

頭クラクラです。

 

腐食させた部分が凹んでるのがお分かり頂けるでしょうか? 

糸鋸で切り分けて塗装工程に進みます。

 

マスキングテープをチマチマ貼って塗り分けて行きます。

 

単色の場合はマスキングせずに全面をドバっと塗ってしまえばOKです。

 

このプレートの場合、一個が20x15mmと小さく、文字の間隔が0.5mm以下だったりするのでルーペで拡大しながらピンセットと針の先を使ってマスキングする超辛気臭い作業です。

この時点で多色バージョンにした事を心の底から後悔しております。

 

ビッグバンドってなんでこんなに人数が多いんだっ!法律でバンドは3人迄に制限して頂きたいっ! 等と訳の分からない考えが頭をよぎったりもします。

スクレーパーとサンドペーパーで表面の塗料を取り除くと腐食させた部分だけに色が残るって寸法であります。

 

銅板の側面もサンドペーパーで磨いて仕上げます。

 

ブツが出来上がるとそれまでの苦労は忘れてしまいます。

モノ作りの楽しさ、って奴ですね。

こんな風に楽器ケースに貼ったりして使ってます。 

 

そして、頑張って塗り分けたのにダントツの一番人気はつや消し黒の単色バージョンだったという悲劇…(;_;

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コメント: 9
  • #1

    saito (火曜日, 09 4月 2013 22:45)

    こんばんは!
    銅板エッチングの解説、すごくわかりやすく感謝です!
    ワンコの迷子札を作りたくて、探していたところこちらにたどり着きました。
    早速、試してみたのですが、紙をはがすのがなかなか難しく、剥がし過ぎて模様が欠けてしまったり・・・トナーでマスキングしたはずのところが所々腐食してしまいざらざらしてしまったり・・・
    なかなか難しいですね。
    まだ2回しかやっていないので、何回も試してみようと思います。
    シンナーで拭き取る作業が辛いですね。(本当に頭がクラクラです)

    ブログもたのしみにしています。
    ありがとうございました。

  • #2

    谷脇 達也 (火曜日, 09 4月 2013 23:31)

    saitoさん

    コメント有難うございます\(^o^)/
    転写成功のポイントは大きく2つあるかと

    その1:紙は FUJIFILMの”画彩お手軽マットタイプ”を使って見て下さい。
    トナー層と紙層の剥がれやすさが違います!
    いろんなサイトで絶賛推奨されているようです。
    今や”エッチング専用紙”と言っても過言ではないかも。

    その2;金属板の水研ぎを丁寧に。
    800〜1000番程度の耐水ペーパーで全体を満遍なく擦ります。
    水洗いした時金属板表面全体に水が行き渡っていればOKです。
    水を撥いてしまう部分があると(板の端っこ要注意!)、そこから
    トナーが剥がれやすくなります。

    カッコイイ迷子札作っちゃって下さい!

  • #3

    saito (木曜日, 06 6月 2013 16:59)

    ありがとうございます!

    なるほど〜・・・
    下準備が不十分だったのですね!まさしく、端っこが鬼門でした。
    水研ぎ、頑張ってみます。

    ありがとうございました!

  • #4

    谷脇 達也 (木曜日, 06 6月 2013 23:04)

    端っこって磨きにくいんですよねぇ…。
    ちなみに力を入れてこする必要はありません。(深い傷が入っちゃうと取れないですし)
    とにかく満遍なく研ぐって事が重要と思われます。

    水研ぎ頑張って下さいね〜(^o^)/

  • #5

    saito (火曜日, 21 10月 2014 18:20)

    こんにちは、ずいぶん前にコメントさせていただきましたsaito
    です。
    本日は質問なのですが、谷脇さんは仕上がりに錆び止めをされていますか?錆び止めをしないと、変色が進んでしまうのかな?とちょっと心配になりまして。
    お時間のある時に、教えてくださいませ。
    saito

  • #6

    谷脇 達也 (火曜日, 21 10月 2014 23:59)

    saitoさん、お久しぶりです。
    私は可能な限り錆止めはしません。真鍮も銅も、錆止めせずに一様な酸化皮膜が出来た状態(焼き鈍した様な鈍い色に変化します)が最も美しい状態だと思いますし、その経年変化が楽しいと感じています。

    例外は商品として売っているゴルフバッグ用ネームプレートでしょうか。結構高い頻度で雨に濡れるらしいので、これだけはクリアラッカーを吹いて錆止めしています。銅板だと緑青まみれになってしまいそうなので…^^;
    http://www.kaerufactory.net/2013/02/10/ゴルフバッグ用-ネームプレート/

    このページの一番下の写真だと経年変化前/後の差が分かりやすいかも知れません。(こっちは趣味ブログなので写真のクオリティも駄目駄目ですがご容赦を…)
    http://blog.livedoor.jp/kaerufactory/archives/53982097.html
    ご参考になれば幸いであります。

  • #7

    Saito (水曜日, 22 10月 2014 09:21)

    谷脇さま

    早速のご回答、本当にありがとうございます。
    先日作ったドッグネ−ムタグをピッカピカに磨いた状態で首輪に取付けたので、「むむむ、錆びシミが出来たらどうしよう・・・」と昨日の雨を眺めながらふと心配になってしまいました。
    革首輪なので、なるべく濡れないように配慮してくださるでしょうし、犬の体脂の膜も付きやすいし、こすれる事も多いんだから大丈夫、条件的には悪いわけではないと思いながらも、不安を払拭できずでした・・・(汗)
    ゴルフタグの様な条件が違うものはラッカーなんですね。勉強になります。

    革、金属、木肌など、時間を経て味の出たものは素敵ですよね。
    自信を持っていきたいと思います。救われました、ありがとうございます。

    それにしても、コルネットケース、素敵ですね。
    あんな大物を作れるようになりたいと、夢見てしまいます。
    ブログも、拝見しました。ダダ発見で和みましたw

    いつも質問ばかりで申し訳ありません。
    また、ブログも楽しみにしています。
    ひたすら感謝。

    saito

  • #8

    谷脇 達也 (水曜日, 22 10月 2014 22:35)

    なる程、ワンコ用ネームタグなんですね。蛙製作所のペットチョーカーにもネームタグ付いてますが、特に錆止めはしてないです。
    毎日使うものなら大丈夫かな、と。

    ダダさん喜んで頂けたようで何よりです(^^)
    ブログ…放置状態でスイマセン。がむばって更新します。

  • #9

    saito (水曜日, 22 10月 2014)

    谷脇さま

    ありがとうございます。
    一つかき忘れた事があります。
    「マスクパターンをシンナーで拭き取る」と言う事ですが、マニキュアの除光液でも落とせるようです。

    もしかしたら、ご存知で、余計な事でしたら、ごめんなさい。

    私はシンナーを嗅ぎたくない一心で、除光液で「何度も拭けばとれるかも?」くらいの気持ちで、手持ちの除光液で拭いてみたところ、簡単に取れて拍子抜けしました。
    除光液も充分臭いですが、シンナーに比べれば室内でも十分使えるくらいの臭さ(笑)です。自分の爪をふけるくらいですから。
    もし、万が一、ご興味があればお試しください。

    ダダ、楽しみにしています。
    ありがとうございました。

    saito